2013年4月22日月曜日

汚染水問題「戦略見直すべきだ」 IAEA調査団長指摘

2013.4.22 19:48 (1/2ページ)

東京電力福島第1原発の廃炉作業を検証するため来日している国際原子力機関(IAEA)の調査団は22日、「汚染水管理のように放射性物質が漏洩(ろうえい)するような問題の対応を継続して改善すべきだ」などの助言を盛り込んだ報告書の概要を公表した。最終報告書は1カ月以内にまとめられ、政府は6月に見直す廃炉の工程表に反映させる。

都内で会見した調査団長でIAEA核燃料サイクル・廃棄物技術部長のフアン・カルロス・レンティッホ氏は「汚染水の問題が直面する最大の課題。東電は信頼性を向上させるために、包括的な戦略を見直すべきだ」と注文を付けた。

調査団は各国の専門家13人。事故後、廃炉に特化したIAEA調査団の受け入れは初めてで、廃炉作業の進捗(しんちょく)状況などを評価した。

報告書では、廃炉計画を「最も複雑な課題に対し論理的で合理的」と一定の評価を与えた上で、レンティッホ氏は「さらに安定させるために、仮設の機器を恒久的なものに置き換える必要がある。不具合が発生した場合は、迅速に(問題を)突き止める能力と、対応する能力を備えることが大切だ」と指摘した。

特に、汚染水問題について報告書は「敷地境界での放射線レベルを適切に分析すること」と記載。レンティッホ氏は汚染水をためるタンクの放射線モニタリングを強化するよう助言した。

調査団は今秋にも再来日する予定で、溶け落ちた核燃料の取り出しなど長期的な課題を検討する。

■IAEA調査団が指摘したポイント

  • 日本は福島第1原発の廃炉にタイムリーに取り組んでおり、損傷燃料取り出しという最も複雑な課題に対し、論理的で合理的な計画を持っている
  • 東電は汚染水の放射性物質と塩分を取り除くための先進的な技術の導入に成功した
  • 政府と東電は国民へのコミュニケーションの重要性を認識している
  • 東電は安全上重要なシステムの信頼性を向上させ、外的リスクからの防護を向上させるための努力を継続するべきだ
  • 汚染水の貯蔵によって生じている課題に対する対応を、継続して改善していくべきだ

汚染水問題「戦略見直すべきだ」 IAEA調査団長指摘+ - MSN産経ニュース

東京電力福島第1原発の廃炉作業の検証を終え、記者会見するIAEAのフアン・カルロス・レンティッホ調査団長=22日午後、東京・内幸町
記者会見に臨むIAEA調査団のレンティッホ団長(右)(東京都千代田区で)=松本剛撮影(2013年4月22日20時06分 読売新聞)

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