2013年3月22日金曜日

小動物、巨大システム“食う” 東電側が初謝罪

2013.3.22 00:20 [原発]

東京電力福島第1原発で停電が発生し、燃料貯蔵プールの冷却装置などが最大で約29時間停止した問題で、東京電力福島復興本社の石崎芳行代表が21日、福島県庁で記者会見し、「大変な心配と迷惑をお掛けし、深くおわびする。一日も早く原因を究明し、対策を講じる」と謝罪した。

停電後、プールの水温は1、3、4号機と共用プールで最大で1・5~6・1度上昇した。復旧後の21日午後5時時点で最大時から、1号機0・5度▽3号機1・9度▽4号機2・0度低下。共用プールも同午後4時現在で8・6度低下した。トラブル前に戻るには数日かかるとみられる。

仮設配電盤内部にネズミのような小動物の死骸があり、小動物の感電が原因との見方が強まっているが、仮設配電盤の扉は外部とケーブルでつなぐための隙間があり、小動物はこの隙間から侵入したとみられる。

過去にも、鳥やカメ、ヘビといった小動物が、鉄道や航空など巨大システムに影響を及ぼしたトラブルは少なくない。

よく知られているのは、航空機に鳥が衝突する「バードストライク」。エンジンに吸い込まれると、機器類を破損し事故につながることもある。

2009年に米ニューヨークで米航空機がハドソン川に不時着した事故で、その危険性が広く知られるようになった。昨年5月にも、羽田発三沢行きの日航機でエンジンに鳥が衝突、引き返すトラブルが発生した。

鳥は鉄道にとっても“天敵”だ。パンタグラフにハトやカラスが接触、感電することによって停電を引き起こすケースも多い。平成22年5月には山陽新幹線にハトが衝突したことが原因とみられる停電が起きた。

昨年8月、福岡県のJR香椎線で信号が赤のまま変わらないトラブルが起きた原因は、カメだった。線路を切り替えるポイント部分に体長約15センチのカメ1匹がはさまり死んでいた。

13年9月に茨城県のJR常磐線で停電が起き、特急が高萩駅で立ち往生したのは、トンネル内の架線に体長約1メートルのヘビがからまり感電死したことが原因だった。20年5月にも、送電線の鉄塔の先端部分に体長約1メートルのヘビがからまり感電し、山梨県富士吉田市など5市の計8万2400世帯で停電が起きた例がある。

【福島第1原発停電】小動物、巨大システム“食う” 東電側が初謝罪 - MSN産経ニュース

福島第1原発の停電について、記者会見で質問に答える東京電力福島本社の石崎芳行代表=21日午後、福島県庁

2013年3月18日月曜日

福島第一原発で停電、燃料プールの冷却装置停止

東京電力と原子力規制庁によると、18日午後7時頃、福島第一原子力発電所の免震重要棟などで停電が発生した。

事故収束作業の指揮所となっている免震重要棟の電源はすぐに回復し、原子炉の温度監視などに問題はなかった。しかし、停電で一部の電源システムに異常が起き、1、3、4号機で使用済み核燃料の一時貯蔵プールの冷却装置が同日午後9時40分現在、停止している。

3基のプールには、計2500本の使用済み燃料が収容されている。プールの温度は最も高い4号機で約25度。冷却が止まっても、現在の温度上昇は小さく、管理上限の65度に達するまでに、約4日間の余裕があるという。このほか、汚染水処理装置も止まった。

原子炉の注水は継続し、周辺の放射線データにも変動はない。東電は原因を調査している。

(2013年3月18日23時00分 読売新聞)

福島第一原発で停電、燃料プールの冷却装置停止 : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)