2011年4月4日月曜日

炉心溶融









概要
原子力発電では、低純度のウランなどで核燃料を作り、それらを臨界状態になる位置に接近させて設置する。核燃料に含まれる核物質に核分裂反応をゆるやかに起こさせ、その時に発生する熱によって水を沸騰させて高圧蒸気を作り、その高圧蒸気でタービンを回転させ発電機で発電する(この時、原子炉で発生した水蒸気を再度水に戻すための冷却水[2]や、使用済みの核燃料を冷やすための間接的な冷却水が大量に必要となるため、通常原子力発電所は海や川の近くに設置される)(空冷式もある)。
緊急時や点検時などでは、燃料棒の間に制御棒と呼ばれる高密度の放射線遮蔽物を置くことで、核分裂反応を停止させて原子炉を停止させる。しかし、運転中にすでに発生している熱の余熱があったり、放射性崩壊によって崩壊熱が生まれたりするので、燃料棒はすぐには冷たくならない。したがって、しばらくの間は余熱除去系のポンプを使用して冷却水を循環させて炉心を冷却し続ける必要がある。
ところが何らかの原因で、余熱冷却系の水の循環に不備が起こることなどで炉心の冷却を行われないと、臨界を終えていても、燃料棒の高い余熱のために原子炉圧力容器内で制御棒や燃料棒自体を溶かしてしまう現象が起きる。これを炉心溶融という。
使用済み燃料プールの中の核燃料も崩壊熱を発しているので、冷却されなければ過熱して燃料溶融を起こし、水素爆発やそれによる建屋等の火災、そして放射性物質の飛散を招くことがある。この場合は炉心溶融とは呼べないが燃料溶融である。

「炉心溶融」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』より。
最終日付(更新日付)UTC 2011年5月25日 (水) 02:36
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%82%89%E5%BF%83%E6%BA%B6%E8%9E%8D

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