2011年3月16日水曜日

福島原発の事故、米NRCが20年前に警鐘-非常用発電機にリスク

3月16日(ブルームバーグ):東日本大震災で東京電力 福島第一原発に起きた事故について、20年前に警鐘を鳴らしていたリポートがある。米国の原子力規制委員会(NRC)による「NUREG-1150」だ。

それによると、地震発生時に炉心溶融につながる事故の例として、原子炉を冷却するため水を外部からくみ上げるポンプを動かす非常用ディーゼル発電機の破損や停電、貯水タンクの故障などによる冷却機能不全が高い確率で起こると指摘していた。

今回の事故は、福島第一原発の原子炉6機のうち運転中だった1、2、3号機は地震の揺れを感知して運転を自動停止したが、非常用ディーゼル発電機が作動せず、冷却ができない状態になった。日本政府は、経産省原子力安全・保安院が04年6月に公表した「リスク情報を活用した原子力安全規制の検討状況」という資料で、このリポートも紹介している。

元日本原子力研究所研究員で核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長は、リポートが提示したリスクへの対応策について、「東電は学んでいなかったのだろうか」と指摘、「天災が1000年に一度や想定外といった規模であったとしても、そんな言い訳は許されない」と述べた。

東電の広報担当、元宿始氏は当社がそのリポートを認識していたかどうか直ちには確認できない、と述べた。

原発は、原子炉圧力容器内で燃料が核分裂する熱で蒸気を発生させ、タービンを回している。緊急停止した際には、高温になっている燃料を冷やすため冷却水を注入して冷やす。冷却に失敗すると、炉内の温度が上昇し、核燃料自体が溶け出す「炉心溶融」に陥る危険がある。

更新日時: 2011/03/16 13:25 JST

福島原発の事故、米NRCが20年前に警鐘-非常用発電機にリスク - Bloomberg

NRC: Severe Accident Risks: An Assessment for Five U.S. Nuclear Power Plants — Final Summary Report (NUREG-1150, Volume 1)

NUREG-1150

アメリカ合衆国原子力規制委員会 - Wikipedia

舘野淳 - Wikipedia

核・エネルギー問題情報センターの舘野淳事務局長

2011年3月14日月曜日

福島原発の被曝患者1人、専門病院へ 千葉の放医研

放射線医学総合研究所(千葉市)は14日、福島第1原子力発電所の周辺で被曝(ひばく)した患者1人を受け入れると発表した。ヘリコプターで輸送し、今夜中に同研究所に到着する見込み。放射線を取り除く除染などの治療を実施する。

福島県では原発周辺の5カ所で地域住民らを対象に検査を実施している。放射線医学総合研究所は緊急被ばく医療研究センターがあり、東日本での被ばく患者の受け入れを行っている。

福島原発の被曝患者1人、専門病院へ 千葉の放医研 :日本経済新聞

放射線医学総合研究所

福島第一原発3号機の水素爆発、けがは11人

東京電力は、14日午前11時ごろ、福島第一原子力発電所3号機で、2回にわたって爆発音が上がったと発表した。

赤い炎とともに大量の煙が立ち上っており、東電は施設内の作業員を退避させたが、社員、協力会社の従業員ら計11人が負傷した。被曝ひばくの程度は不明だが、全員歩行が可能な状態という。経済産業省原子力安全・保安院は、同11時1分、水素爆発が起きたことを確認した。原発の損壊の程度は不明だが、東電は「原子炉格納容器と圧力容器は健全」とみている。

同社幹部は「炉心が溶融した可能性がある」と話した。

3号機は原子炉建屋内に水素ガスがたまり、水素爆発の危険が指摘されていた。既に避難指示が出ている同原発から半径20キロ・メートル以内に残っていた約600人に対しては、緊急措置として屋内にとどまるよう呼びかけた。東電によると、保安院の指示で同原発南側5キロ・メートルの範囲を立ち入り禁止とした。東電によると、爆発が起きた時、地上は無風で、上空は、西もしくは南西へ風が吹いていた。

1号機でも12日午後3時すぎ、水素爆発が起き、原子炉建屋が骨組みを残して吹き飛んだ。3号機の爆発は、水素爆発特有の白い煙とともに、1号機の時よりも高い灰褐色の煙と炎を伴っており、水素爆発に加えて他の異変が起きた可能性もある。

東電によると、14日午前1時10分から3時20分まで、原子炉を冷やすための炉内への海水注入を一時中止していた。このため炉内の燃料棒の露出が進み、水蒸気が燃料棒に長時間触れて、水素が大量に発生し、爆発につながった可能性があると見ている。

3号機近くにある中央集中制御室には13~15人残り、炉内へ冷却水を注入する作業を継続している。格納容器周辺の放射線量に大きな変動はみられない。午前11時30分現在、残存した原子炉内の燃料棒は、上部約1・8メートルが冷却水から露出し、危険な状態が続いている。発電所正門付近の放射線量は1時間あたり50マイクロ・シーベルトで、同44分には20マイクロ・シーベルトに低下した。

(2011年3月14日13時15分 読売新聞)

一方、菅直人首相はこの日朝、ヘリコプターで福島第1原発を訪れ視察。説明に当たった東電幹部に「住民のことを第一に考えて早めの対応をお願いしたい」と求めた。津波の被害が大きい宮城、福島両県の海岸部も上空から視察。この後、官邸で記者団に「あらためて津波の被害が大きいと実感した」と述べた。

福島第一原発3号機の水素爆発、けがは11人 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

3号機で一瞬の透明な爆発の直後、燃料プール付近で一瞬の赤い炎が発生し、爆発煙が上がった

3月14日11時01分、3号機で一瞬の透明な爆発の直後、燃料プール付近で一瞬の赤い炎が発生し、爆発煙が上がった(保管燃料由来の水素爆発とされている)。

福島第一原子力発電所事故 - Wikipedia

2011年3月13日日曜日

午前中に3号機と2号機のベント

2011年3月12日

[09:00] 午前中は陸から海に向けて微風が吹く環境が続いた。午前中に3号機と2号機のベントがあったため、構内でも放射線量率が増加したが、どうやらこれは北方の海上に向けて広がったようである。

福島第一原発事故タイムライン(ドキュメンタリー) | 2011年3月 東北地方太平洋沖地震 - 国立情報学研究所

気体(あるいは一般には流体)の排出 (vent)。換気または換気装置。安全弁。潜水艦がバラストタンクの空気を排出すること。

ベント - Wikipedia