東京電力は9日、福島第1原発の観測用井戸で8日に採取した地下水から、セシウム134が1リットル当たり9000ベクレル、セシウム137が同1万8000ベクレル検出されたと発表した。5日に同じ場所から採取した地下水と比べ、濃度は約90倍に上昇しているという。
これまで比較的低い値にとどまっていたセシウムの濃度が急上昇したことで、改めて同原発の地下水で汚染が拡大していることが裏付けられた。
今回、セシウムが高濃度で観測された井戸は2号機タービン建屋より海側にあり、港湾からは約25メートル。5日にはストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質が同90万ベクレル検出されていた。今回は同89万ベクレルだった。
ただ、5日のセシウム濃度は134が同99ベクレル、137が同210ベクレル。海側に設置された他の観測用井戸でも、これまでセシウムの値は低く、検出限界未満のことも多かった。
東電はその理由として「セシウムは土壌中に吸着されやすい性質のため」と説明していた。今回の濃度変化について、東電は現時点で調査中だとしつつ、「測定の際に汚染された泥が混入した可能性も考えられる」としている。
(2013/07/09-11:22)
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