2013年9月5日木曜日

福島第1、汚染水が地下水に到達か タンク漏洩で

2013/9/5 21:23

東京電力は5日、福島第1原子力発電所で約300トンの高濃度汚染水が漏れた地上タンク付近で、地下水からストロンチウムなどベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり650ベクレルの濃度で検出されたと発表した。「汚染水が地下水に到達した可能性がある」としている。

タンク漏洩問題で地下水の汚染が確認されたのは初めて。政府が汚染水対策の柱の一つとして挙げる「地下水バイパス」のくみ上げ井戸が付近にあり、井戸の水が汚染される恐れが出てきた。

東電によると、漏洩があった「H4」エリアのタンクから、南に十数メートル離れた場所に掘った井戸で、4日に地下水を採取した。タンク内にあった汚染水の放射性物質濃度より井戸で検出された値が低いことから、東電は雨水などで希釈されたとみている。

東電は「H4」のタンクから漏れた約300トンの大半が土壌に染み込み、一部が近くの排水溝から直接、海に流れ出たとみている。海への流出量は分かっていない。

タンクは「フランジ型」と呼ばれ、部材の接ぎ目をボルトで締めて組み立てる構造。同型の別のタンク表面で高い放射線量が計測されるなど、漏洩の疑いが相次いでおり、東電は今後、安全性の高い溶接型タンクを増設して汚染水を移し替える計画を立てている。

「地下水バイパス」は原子炉建屋地下などに流れ込む1日400トンの地下水を抑制するため、建屋山側で地下水をくみ上げ海に放出する計画。政府は地下水流を遮断する「凍土遮水壁」とともに汚染水対策の柱に挙げている。〔共同〕

福島第1、汚染水が地下水に到達か タンク漏洩で  :日本経済新聞

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